2020年09月09日 コース沿道魅力探訪 「コース沿道 魅力探訪」④ 「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」~春日山原生林~
コース沿道魅力探訪④
「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」
今回の探訪は、【春日山原生林】をご紹介します。
鴻池陸上競技場をスタートして9Km過ぎの大仏前交差点。マラソンコースは、ここを右折しますが、ここを直進すると、春日大社、さらにその奥一帯は、深い森が広がっています。この森が「春日山原始林」で、1100年以上前に狩猟と伐採が禁止されて以来、春日大社の聖域として大切に守られてきました。
都市部のすぐ近くにあるにも関わらず、手つかずの自然が残るこの森には、約800種もの植物が生い茂り、国の天然記念物にも指定されています。
【春日山遊歩道を歩いてみよう】
春日山原始林には、9.4㎞の周遊できる「春日山遊歩道」が整備されています。
今回は、北側から南側へ歩いてみます。
少し寄り道して、若草山のふもとに来ました。
大仏前交差点から東、春日大社の方へ約800mのところに入口があります。
遊歩道に入ると、昼なお薄暗いうっそうとした森の中に入ります。
右手に中水谷休憩舎が見えてきます。
若草山頂駐車場に着きました。山頂まであと少し。
若草山山頂から奈良市街が一望できます。
ここからは、車も通る「春日奥山道路」を南へ向かいます。
左手に赤い橋が見えてきました。
この橋を渡っていくと、「鶯の滝」があります。
「鶯の滝」マイナスイオンを浴びて気持ちいい。
奥山道路に戻り、さらに南の方へ
道の両側には、ヒノキの巨木がいくつもあります。
右手に芳山(ほやま)交番所が見えてきました。100mほど先の右手の坂を超えると
「春日山石窟仏(せっくつぶつ)」があります。
芳山交番所に戻って、西側の道を下っていくと、左手に並行する旧柳生街道に、荒木又衛門がためし斬りしたと伝えられる「首切り地蔵」があります。
三本杉跡休憩舎。ここまで来たらあともう少し。
南側遊歩道入口に到着です。写真は、反対側から撮りました。
コースのマップは、下記奈良公園事務所サイトがわかりやすいと思います。
【車でドライブするなら】
歩くのが苦手な方は、車で「奈良奥山ドライブウェイ」を走ってみてはいかがでしょうか。
東大寺の北側からは若草山山頂までは、舗装された道で快適に登れます。若草山からは、あえて舗装していない原始林の中をゆっくりドライブしながら、「鶯の滝」「石窟仏」などへも行くことができます。
古都奈良の一味違った魅力を、ぜひ味わってみてください。
2020年08月31日 コース沿道魅力探訪 「コース沿道 魅力探訪」③ 「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」~奈良公園の鹿と春日大社~
コース沿道魅力探訪③
「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」
今回の探訪は、【奈良公園の鹿と春日大社】をご紹介します。
マラソンコース往路10㎞地点と復路39㎞地点になる奈良公園・飛火野付近です。
奈良公園は約660ヘクタール、園内には緑豊かな自然だけでなく、世界遺産の東大寺や興福寺、春日大社等の歴史的文化遺産が多いことから、「歴史公園」とも言われています。
〇奈良公園の鹿たち
ランナーを応援しているのは沿道の方々ばかりではありません。
奈良公園の鹿
たちもランナーを応援
しています。
この「奈良のシカ」は、野生動物として国の天然記念物に指定され、約1300頭が生息し、春日の神様が鹿に乗って来られたことから、神の使いとして神聖なものと大切にされ、人と鹿とが共に暮らしています。
鹿寄せ
「鹿寄せ」とは鹿にまつわる伝統行事のひとつで、春日大社参道南側の飛火野と呼ばれる場所でナチュラルホルンの音色で鹿を呼び寄せる古都奈良の風物詩です
。
画像:奈良の鹿愛護会提供
角きり
古都・奈良の秋を彩る勇壮な「鹿の角きり」は、江戸時代に危険防止と樹木の保護のために始まり、 人と共生の歴史の中でうまれた奈良ならではの伝統行事です。尚、今年は新型コロナの影響のため開催は中止となりました。
画像:奈良の鹿愛護会提供
○鹿苑 【ろくえん】
もっと奈良の鹿について知りたい方におすすめの施設が「鹿苑」。
「鹿苑」は、「(一財)奈良の鹿愛護会」が運営する「奈良のシカ」の保護施設です。鹿の生態や歴史について学べるパネル等の展示のほか、鹿苑に保護されている鹿を季節を通して見学することができます。
〇奈良公園で毎日1トンの鹿フンを掃除するフンコロガシ
また、奈良公園の役者は鹿だけではありません。 お土産にもなった鹿の糞を処理して土に戻す、フンコロガシ(ルリセンチコガネ)も大活躍しています 。
画像:奈良の鹿愛護会提供
もっとフンコロガシについて知りたい方は、糞虫に魅せられ研究を続けている私設博物館「ならまち糞虫館」がおすすめ。開館は土日だけ。
それでは、鹿の落とし物だらけですが、広々とした気持ちいい飛火野から春日大社の参道へ
〇萬葉植物園 -萬葉集に詠まれた植物を植栽する植物園
約3ヘクタール(9,000坪)の園内は、約300種の萬葉植物を植栽する日本で最も古い萬葉植物園。
現在は改装中の為、閉園しています。
二之鳥居
春日大社 南門
〇春日大社
全国に3000社ある春日神社の総本社である春日大社。
その歴史は今から約1300年前、飛鳥から平城京へと都が移された奈良時代から始まります。
創建以来、聖域とされ原始林の中に鮮やかな朱塗りの社殿があり、1998年には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録されました。
それでは、ご本殿の特別参拝へ
中門
奉納された灯篭
藤浪之屋
藤浪之屋の内部
若宮へ
次は若宮十五社めぐりの中で二社を
〇夫婦大國社
春日大社の夫婦大國社は、全国で唯一、ご夫婦の大國様をお祀りしており、「夫婦円満」・「縁結び」の神社です。
〇金龍神社
金財運の守護神、金龍神社
春日大社から春日山原生林へ向かう小道です。
一度ゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。森林浴が気持ちいですよ 。
2020年08月14日 コース沿道魅力探訪 「コース沿道 魅力探訪」② 「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」~平城宮跡歴史公園~
コース沿道魅力探訪②
今回から「世界遺産【古都奈良の文化財】シリーズ」が始まります。
シリーズ最初は、「平城宮跡歴史公園」です。
マラソン種目の5km折り返し地点手前、朱雀門や遣唐使船を覚えていらっしゃいますか?
朱雀門
遣唐使船
ここは、2010年に平城遷都1300年祭のメイン会場となった平城宮跡です。
春から秋にかけて様々なイベントが行われ、12月5日に特別イベントとして「第1回奈良マラソン」が開催されました。
今では、事前イベントのランニングクリニックでもおなじみですね。
奈良マラソン ランニングクリニックの様子
平城京は、和同3年(710年)から延暦13年(794年)まで、元明天皇が藤原京から都を移され、日本の首都として、政治・経済・文化の中心として栄えました。今は、朱雀門の北、第一次大極殿院 南門の復原工事が行われています。平城宮跡には、ふたつの大極殿があり、第1次大極殿は、南門→東西楼→築地回廊と順次復原を予定されています。
令和4年春には、南門の完成した姿の一般公開が始まる予定ですが、今なら復原工事が見学できます。
南門復元工事
もう少し平城宮跡を知りたいと、平城宮いざない館を訪問しました。
この施設は、平城宮跡歴史公園の意義と素晴らしさを伝え、往時の面影を残す平城宮跡へとあなたをいざなうガイダンス施設です。
朱雀門から見た模型 和同開珎
四神
四神とは、朱雀(南)、青龍(東)、白虎(西)、玄武(北)のことで、北に山があり、南に池があり、東に川が流れ、西に道があるという中国の陰陽思想にもとづくもので、平城の地は、まさに四神にかなう最良地形で、都を置くことになったようです。
ちなみに奈良マラソンでは、過去に四神をモチーフしたTシャツがありましたが、何枚お持ちでしょうか?
■2015年 青龍 ■2016年 白虎
■2017年 玄武 ■2018年 朱雀
平城宮跡は、特別史跡、そして世界遺産の構成要素のひとつとされており、誰もが自由に散策でき、1300年の時空を超えて、奈良時代の姿を思い浮かべながら、歴史のロマンを感じることが出来ると思います。
奈良にお越しの際は、平城宮いざない館へ立ち寄って見てはいかがでしょうか。
また、平城京やそこで営まれた生活について広く紹介されている「平城宮100の疑問」というサイトもありますよ。非常に詳しく紹介されいるので是非覗いてみてください。
2020年08月04日 コース沿道魅力探訪 「コース沿道 魅力探訪」① ~幻の大仏鉄道~
これからコース周辺の、よく知られているものや、あまり知られていないものも含め、奈良マラソンコース周辺の名所や秘話をブログを通じて紹介させていただこうと「コース沿道 魅力探訪」の連載企画をスタートします。
定期的に情報をアップしていきますのでお楽しみに。
記念すべき第一回目は・・・・
みなさん、ご存じの奈良マラソンスタート地点です 。
では、約120年以上前、この地に蒸気機関車が走る線路が敷かれていたことはご存じでしょうか?
京都南部の加茂駅から奈良の大仏駅へ、10㎞に満たない短い線路を煙吐いて走る赤い蒸気機関車の姿がありました 。
わずか9年間で幕を閉じた幻の鉄道、「大仏鉄道」です。
大仏鉄道は、明治時代の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」が、加茂(京都府)と奈良を最短距離で結んだ路線の愛称です。
画像は「電光(いなづま)号」
。
客車はその色と形から「マッチ箱」と称されていたそうです 。
当時は、ならでんフィールド(鴻ノ池陸上競技場)の北側にある「黒髪山」にトンネルもありました。
当時(木津川市教育委員会所蔵) 現在
ちなみに競技場は、池の中でした 。
「黒髪山トンネル」に向かう線路は1000mで25m上がるほどの急勾配で、乗客や村の人々が押すこともあり、下りは大仏駅に止めるのに苦労したようです。
地域のみなさんのご協力で成り立っている、なにか奈良マラソンに通じるものがありますね 。
奈良側に唯一残る遺構、「鹿川隧道(ずいどう)」です。現役の水路の横にわずかにレンガ積みが残っています。
※1枚目の写真の大会スタート地点から北に約1.3㎞にあります。
JR奈良駅から大会会場に来られる方は船橋商店街通りを通って来られると思います。
その商店街の北側、佐保川を渡ったところに、大仏駅があったとされる「大仏鉄道記念公園」があります 。
以前、このブログでもご紹介しましたが春には桜がきれいです。
大仏鉄道遺構めぐりのコースは、看板による案内表示がされており、非常にわかりやすいコースです。
ランニングや、ハイキングにもぴったりなコースで、沿線の風景やお店もとても風情があります。
奈良にお越しの際は、ぜひめぐってください。
マップは下記からダウンロードできます。
■幻の大仏鉄道 遺構めぐりマップ
■配布場所
奈良市役所観光戦略課、奈良市総合観光案内所(JR奈良駅旧駅舎)
近鉄奈良駅観光案内所、観光センターなど